朝日新聞に面白い記事が載っていました。普段、婚活や結婚はあまり記事にならないのに、珍しいです。
登山家であり冒険家の角幡唯介さんが、婚活について独自の目線で面白おかしく調子に乗って語っていたら、朝日新聞から「論じて欲しい」と依頼が来たのだとか。
◆合理的に考えたら結婚なんて恐ろしくてできない?
角幡唯介さん曰く、結婚とは事態なのだそうです。自分の意志や意図を超越し、制御不能な自分の足元から隆起する「事態」なのだそうです。
冒険と結婚は似ているらしいです。それはリスクを伴うということ。
登山家は、今までの登山経験から、次はこの山に登りたいという願望が次々にやってきて、逃れられなくなります。
結婚も、なんとなく始めた交際直後は意識していなくても、だんだん逃れられない状況に陥ります。
変な人と結婚すると一生を棒に振ることになります。だから結婚なんて普通は怖くてできません。なのになぜ人々は結婚に向かうのか。
これは能動的な選択でもなく、事態だから、だそうです。
◆幸せになりたいと願う婚活者のパワーは既に怨念のよう
人々は今の生活をよりグレードアップさせたいという願望から、結婚を望んでいる人もいるでしょう。あの人と結婚した方が有利、だとか損得感情で動いている人もいるかもしれません。
まさに「幸せになりたい」というパワーは怨念のようです。これが婚活が疲れる原因なのかもしれません。
第一、結婚に幸せの保証はありませんから。未婚者は結婚=幸せと単純に考えすぎなのでしょう。
結婚さえすれば幸せになれる・・・これは錯覚でしかありません。
◆結婚とは、2人で幸せを構築していくもの
よく、「私を幸せにしてくれる人を探す」と言っている間は結婚できないと言われます。これは最もかもしれません。
なぜなら、結婚とは二人で幸せを構築していくものだから。王子様が迎えに来るのはディズニー映画のお姫さまだけです。
結婚すれば幸せになるという保証は全くありません。2人がいかに協力し合っていけるか、幸せな生活を望んでそれを実現するために動けているか。これができるかどうかです。
◆パートナーはひとつの承認要求を満たしてくれる人
職業SNSはさておき、芸能人でもない有名人でもない人は自分をSNSでさらけ出し、イイネをもらう。好き好きにやってもらっていいのですが、誰かに承認されて満たされている人であればこのようなことはしないでしょう。
近年は人との関係性が希薄になってきているので、自分を承認してくれる人は身近な家族しかいません。子どもの頃は親が承認してくれていました。成人して社会に出て、そうなると自分を承認してくれる人が欲しくなります。それゆえ、人々はパートナーを求めるのでしょう。
パートナーと素敵な関係を築けていて幸せに日々送っている人は、わざわざ他人からイイネをもらわなくてもいいのです。
2019年11月16日(土)朝日新聞朝刊より
