結婚したらパートナーと2人で協力して一緒に新生活を楽しみたい、そう考えていても、実際は「その家に嫁に入る」とか「お墓を守る」といったことを期待されてしまうケースも多いです。
とはいえ、従来の家制度からは少し離れて、そのカップルのやり方を尊重する動きも増えてきているようです。
◆明治時代に作られた家制度の名残が
家制度を制定したのは明治時代の明治民法です。戦後に民法の改正があり、家制度は廃止されました。しかしいまだに「家」という意識は根強く残っています。そして男性側の氏を名乗って継承することも存在し続けています。
今、選択的夫婦別姓のあり方が議論されていますが、まだまだ反対する人達も多いです。
女性は結婚すると男性の家に入るという意識もまだまだ強く残っていますし夫婦で新しい戸籍を作ることも入籍と言います。心理的な支配や従属関係が根っこにあることが要因でしょう。
高度経済成長期には性別による役割分担が固定化されてしまいました。そのため、女性が経済的に自立するのが困難でした。
対等な夫婦関係を作り上げるのにはこれからどんどん社会の制度を変えていかなければならないでしょう。
◆いまだに地方では男性が酒盛り、女性が家事
親族などの集まりでは、地方によっては未だに男性たちが酒盛りをし、女性が台所で家事をする構図が残っているところも多いようです。
また、結婚して子どもができないと、女性は実家に戻されるということが当たり前にされていた時代もありました。
不妊は男性にも原因があることはいまや当たり前の常識です。このような違和感の背景にはやはり根強く残る家父長制度があるのでしょう。
これからは、選択的夫婦別姓や同性婚、入籍せずパートナーという関係性のみで暮らす、1人で生きることを選ぶ、という人も増えます。
国は様々な生き方を認め、福祉の制度を抜本的に変えなくてはならない時期が来たのではないでしょうか。
◆家庭内でもまだ男性優位になりやすい
子どもは小さなころからその両親を見て育ってくるため、小さなころからの積み重ねはそう簡単には変えられないのかもしれません。
各家庭で小さな問題から少しづつ考えさせ、男の子にもジェンダー平等を意識させていかないといけないのでしょう。
また、男の子が生まれると夫の近所の人に「将来家系が安泰だね」と言われる経験をした人もいるでしょう。
若いカップルにはそのような意識はないのに、親世代が勝手に昭和の価値観で褒めているパターンです。もちろんその近所の人には悪気はないのです。
首都圏にすむ若いカップルは保守的な田舎の方程ではないとおもいきや、いまだにこのような嫁、家、墓という考え方に悩んでいるカップルは思いのほか多いようです。
結婚の価値観が多様化する今、選択肢が増えたことを当たり前にとらえ、意識をアップデートさせていかなければなりません。そして次の世代に伝えていかなければならないのでしょう。